キドリハ通信 KIDOREHA BLOG

「タクシーのおっちゃん」2017年5月7日 (事故から2年と36日目) 2017年05月07日 23時28分04秒

2017年5月7日 (事故から2年と36日目)
Vol.6 キドリハ通信~ほしがりません立つまでは第5章~

 

「タクシーのおっちゃん」

 

先週(4月28日)の神戸滞在で、忘れられない出来事がありました。

 

須磨での交流会の帰り、終電を逃したのでタクシーに乗って実家へ帰ったんですが、
タクシーのおっちゃん(タ)との会話そのままに、紹介します。

 

 

タ「兄ちゃん、事故か?車いすやのに、そんなに元気で、偉いもんやなあ。」

 

 

僕「まあ、生きてるだけ良かったですよ。生きてるだけで丸儲けですね~。笑」

 

 

なんて言ってると、

 

 

タ「そう思えるのは大したもんや!これからも、頑張りや!!」

 

 

なんて応援してもらったりして。笑

おっちゃんが現役引退してタクシードライバーになる前は鉄道会社職員だったらしく、

 

 

タ「今はまだバリアフリー環境が整ってきたからいいものの、わしがいた頃は電車に乗るんはもっともっと大変やったなあ。」

 

 

僕「でも、ついさっき、山陽電鉄の終電乗ろうとしたけど、
『エレベーターが無いから無理』ってかなり冷たくあしらわれたで?おっちゃん今でもまだまだちゃう?」

 

 

なんて返したら、、、

おっちゃんは、昔を思い出したように、胸の内を話してくれました。

 

 

タ「引退したから言えるけど…

 

 

俺が駅員やってる頃に、障がい者で車いすに乗っている方はだいたい何も言わへんけど、
介助者の人が、偉そうに『アレしろコレしろ』って言う人がようおったわ。

無理難題言ってきて、『なんでできひんねん!障がい者やからか!?』って言われると、

駅員としては、頭下げるしかできひんかったなあ。

何を間違ったのか、あの態度は無い思うわ~。」

 

 

確かに、そういう人は今でもいるんちゃうかなぁ。

 

 

「障がい」という武器をタテに何でもかんでもやってもらうのは、本当のバリアフリーでは無いと思う。

それこそ、自分が障がい者です!って言いふらしてるようなもんやと思ってしまう。

そんな風に思いつつ、僕も、思うところを話しました。

 

 

僕「駅員さんの方も、たまに心無い駅員さんもおるで?

正直、環境が整ってないことより、駅員さんのそういう心無い態度がバリアの原因やと思うわ~」

 

 

結局は、1人1人の意識が大事やな。健常者も、障がい者も、自分がどう生きるべきか、
きちんと考えながら生きていかなアカンわな。

 

 

僕「でも、こうやって、タクシーのおっちゃんに声をかけてもらったり、応援してもらったり、
そういうエピソードがある度に、車いすも捨てたもんじゃないで?笑」

 

 

笑いながら「おっちゃんもそう言ってもらえると嬉しいわ!」
なーんて会話をしながら、家までもうすぐってところまできていました。

 

 

タ「今日は28日やろ?息子の命日なんや。中学の時に死んだんや。交通事故で。即死や。
誰しも、人生においてそういう辛いエピソードを持ってるもんや。

兄ちゃん、ホンマに生きてて良かったな。気張りぃやっ!」

 

 

ですって。
最後に、何とも表現しがたい感情になりました。

 

 

生きてると、辛いこともある。
でも、生きてるってことは、それだけで意味があるとも思う。

 

 

「あなたが何気なく過ごした今日1日は、昨日死んだ人が『生きたい』と切実に願った1日だ。」
by不明

 

 

この言葉を思い出させる、おっちゃんとの出会いでした。

 

明日から仕事、頑張っていきましょう!!

 

049

コメントを投稿する

すべての項目を記入して『投稿する』ボタンを押してください。パスワードは投稿したコメントを編集・削除する時に必要になりますので、忘れずに覚えておいてください。

編集