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体験談

オレたちのRe:Walk 第3回 古中信也(日本で唯一の車いすライフセーバー) kidoriha(男性/31歳)2017年03月20日 14時40分42秒

”オレたちのRe:Walk”第3回

2017年3月20日

 

古中信也(フルナカシンヤ/受傷部位:頸椎5番 不完全麻痺)

日本で唯一の車いすライフセーバー

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紹介文:Re:Walk Project 木戸より

 

古中さんとは、地元・神戸の須磨ビーチのユニバーサル化を目指すボランティア活動にて、出会うことができました。

最初に抱いた疑問は、「なぜ車椅子になってもライフセーバーを続けているのか?」という疑問でした。今回は、その質問をダイレクトにぶつけさせていただきました。

 

最近、読んだ本の中で、

 

「人は、生まれながらにして『誰かの役に立ちたい、誰かのために働きたい』という欲求を持っていて、それは、健常者も障がい者も変わらない。」

 

という言葉に出会いました。

それは、2本足で歩こうが車いすに乗っていようが関係ないのだとすると、僕が古中さんにした質問自体、愚問だったのかもしれません。

 

それでも、頸椎損傷を負いながら、ライフセーバーを続けることは、並大抵の努力では無理だと思います。

 

意志の強さを持ってライフセービングを続ける信也さんと、今同じチームでボランティア活動を続けられていることを、誇りに思います。

 

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「なぜ車椅子でライフセーバーを続けているのか?」

 

頸損になってもライフセーバーになった理由

これってよく聞かれることですが、ライフセーバーと聞くと日焼けしたマッチョな体格で体力がないとできないというイメージがあるからなのかも知れません。

 

答えの前にライフセービングについて少し説明すると、そもそも、老若男女を問わず障害の有無に関わらず、どんな人でも人を救いたいという気持ちがあればできる活動なのです。

 

溺れた人を助けるのはなく、溺れさせないことが重要でそのために色々な役割があります。

 

私は須磨海水浴場やアジュール舞子で警備長として現場の指揮、統制を担ったり、メンバーの育成、訓練をしたり、身体が動かなくても頭と口を使って自分にできることをやっています。

日本に車椅子のライフセーバーは他にいません。

だから、こんな身体でなぜと思われるのかもしれません。

 

障害があっても人を助けることってできませんか?

困っている人がいても無視できますか?

 

逆にそう聞きたいです。

まずは、自分の中に誰かのために行動するという選択肢があるか無いかが一番重要なことで、人間性が保たれているかどうかなのです。

 

健常者も障害者も関係なく一人の人間としてどう考えるか。

人を思い遣る気持ち、それさえあれば誰でも人助けはできます。

 

自分のスタイルでいい、どんなことでもいい、自ら進んで手を差し伸べることができる、それを当たり前と思える世の中にしたい、障害者の在り方を変えたい、そう強く思います。

 

 

私の場合、その手段がライフセービングだったのです。

 

 

障害があるからできない、やらない、守られて当たり前、そんなスタンスが好きではありません。

 

それは甘え、言い訳、他力本願にしか思えないのです。確かにできないことは多々あります。

だから誰かがやってくれる、そんな、されて当たり前の考え方を変えたいのです。

 

受け身ではなく、まずは自分で積極的に行動することが大切なのです。

 

 

元々、自分の特技を活かし人命に関わる活動で誰かの役に立ちたいという想いから始めたライフセービング。

 

怪我をしたからといって、その想いは消えませんでした。

 

車椅子となって、守る側から守られる立場になり、もどかしく、時には情けなく悔しい気持ちになることもありました。

 

しかし、助けられる経験をしたことでライフセーバーの存在意義を痛感し、これからもライフセーバーとして人を救いたいという想いは強くなりました。

 

このまま一生、心配され守られて生きていくのは自分の生き方ではない。

 

自分にしかできないこともたくさんある。

 

死にかけたことで改めて知った命の尊さや、生きる素晴らしさを伝えていくことができる数少ないライフセーバーとして、人の役に立ち、守っていく立場であり続けたい、その想いがライフセーバーを続ける理由の1つです。

 

 

まだ生きる道を与えてもらったからにはその信念を貫くためにも私は海に立ち続けるのです。

 

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今、ライフセーバーをしていて、難しい状況にぶつかることはないですか?

 

頸髄損傷の私にとって夏のビーチという環境は過酷です。

体温調節ができないので暑さは命の危険を伴います。バリアも多く、自由に移動ができない場所があります。

 

もちろん、日常生活用の車椅子だと砂浜には入れません。ビーチにいながら海に近づけないというのも残念です。

 

当然ながらお客様の中に車椅子ユーザーはほとんど見かけません。それぞれ事情があるとは思いますが事実として環境が整っていないことや、そもそも車椅子ではビーチに行けないという先入観が要因だと思います。

 

 

しかし、馬鹿な私はそんなことを気にせず仕事が休みの週末は車椅子のライフセーバーとしてビーチに行きます。

 

私のような者がビーチにいることで車椅子でもビーチに行けるのだと知ってもらいたい、出かける選択肢の一つに海を加えてほしいという想いがあるからです。また、車椅子でもライフセーバーをやっている姿を見てもらうことで全ての方に一歩踏み出す勇気やチャレンジするきっかけを持ってもらえたらなと考えています。

 

 

今、木戸さんを始め地元の方々と一緒に須磨ビーチをユニバーサル化し、もっと色んな方が楽しむことができるようにするプロジェクトを進行中です。

 

日本で唯一の車椅子のライフセーバーがいるビーチとして絶対に実現させますのでご期待ください。

 

 

日本の頸損(脊損)の人たちとその家族にメッセージをお願いします。

世間の我々車椅子ユーザーを含む障害者への認知、理解がまだまだ足らないなぁと感じます。

 

一番の理由は接する機会が少ないからでしょう。それは障害のある方が社会の一員としてまだまだ浸透できていない。

 

そんな世の中だからだと思います。ノーマライゼーションにはほど遠いです。

 

だからといって待っていてはダメです。自分が貪欲に社会に出て行き、健常者と共に活動していくことで必ず環境は改善されます。

 

何より大事なことはやりたいと思う気持ち、そして一歩踏み出す勇気です。既成概念は最大の壁。常識を覆す。

道は自分で切り開いていく。そんなアグレッシブな考え方が我々には必要です。一人ではできないことでも努力する姿を見れば協力してくれる味方が現れます。

 

 

私は怪我をして落ち込むことがほとんどありませんでした。

そんな時間はもったいないと思えたのは多くの方が支えてくれたからです。感謝の言葉しかありません。

 

みんなを安心させたいという気持ちもあったのかも知れませんが、おかげで常に前向きです。

 

誰も好きで障害者になった方はいません。一度きりの人生なのだから今できる最良のことを実行し思いっきり楽しまなきゃ損です。

 

人生を終えるときには最高の人生だったと思えるような充実した日々を過ごしましょう。

 

 

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dida (女性/31歳)
2017年03月25日 08時41分14秒
ありがとうございます。とても勇気をもらいました。

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