キドリハ通信 KIDOREHA BLOG

「脊髄を損傷したら、まずは精子の救出を。」2017年6月7日(事故から2年と66日) 2017年06月07日 20時45分04秒

2017年6月7日(事故から2年と66日)

vol.11 キドリハ通信〜欲しがりません立つまでは第5章〜

 

 

皆さん

こんばんは。

 

 

最近、バタバタしすぎてキドリハ通信のアップが少なくなってしまっています。

 

すみません、木戸です。

 

 

突然ですが、
2017年、木戸家のテーマ「妊活」です。
1stプライオリティ、それが妊活です。

 

 

今日は「脊損者の妊活」について話したいと思います。

 

 

プライバシー、プライベートな内容になるので、こういう情報はほとんど世の中に無いので、あえて、自分の経験を発信したいと思います。

 

 

もちろん、みんなに当てはまるわけではありませんが、
でも、僕たち夫婦の実体験はその辺の噂よりは頼りになるかな、そう思って投稿します。

 

 

 

今月、2度目の精子回収術”TESE(テセ)手術”を受けます。
要するに、キンタマを切り開いて、そこから精子を取り出すのです。

 

 

 

なぜなら、脊損者は生殖器も麻痺することが多く勃起しないため、射精することができないからです。(麻痺していない人もいます。麻痺していても、刺激を与えたり、特別な装置を使ったりして生殖機能が残る人もいます)

 

 

自然に妊活することができないので、
取り出した精子と卵子を体外で受精させる”人工授精”を行います。

 

 

父親になるための試練、それが精子回収術「TESE」なんです。

 

 

手術なので、麻酔が必要です。

事前の検査が必要です。

それでも、やっぱり自分たちの子どもが欲しい。心からそう思います。

 

 

 

実は、ちょうど1年くらい前に、一度目のTESEを行いました。

オーストラリアに行く直前のことです。

その時、元気な精子くんは1匹だけでした。。。

 

 

「脊損者の精子は寝てることが多く、刺激するとちゃんと動くものもいる」と言われるので、その時回収した精子を凍結保存しておいたんです。

 

 

なぜ、オーストラリア直前に精子を取り出したのか?

 

それは、一般的に、脊損者(射精できない人)の精子は、時間とともに減退していく、と考えられています。

 

 

周りの脊損先輩方の中には、
「俺は結婚して、脊損から10年経ってチャレンジしたけどダメだった。。。」という方が何人かいました。

 

 

逆に、最近会った方で、電気刺激によって精子を出せる脊損者の方は、
検査の都度精子を出せば出すほど、どんどん精子が元気になっている(という結果が出ている)という話を聞きました。

 

 

やはり、人間の体は、使わない機能は衰えていくということでしょうか。逆に代謝が良くなれば、どんどん健康になっていくのかもしれません。

 

 

そして僕は、オーストラリアから帰国後、凍結していた精子を使って人工授精を行いました。

奥さんの非常に元気な卵子、約20個をもってしても、良い状態でできた受精卵は1個でした。

「まずはその1個を信じてチャレンジしよう!」
それが、僕たち夫婦の気持ちです。

 

 

 

ただ、もしその1個の受精卵でうまく妊娠できなかった時、
数か月の時間ロスはかなり今後の妊活に影響します。

 

 

 

なので、その1個の状態の良い受精卵は凍結保存しておいて、後で試す予定です。

 

 

 

そして、今回TESEで回収した精子凍結保存せず、
「取り出した精子をすぐに奥さんの元に運んで、人工授精する。」
という方法で2度目のTESEにチャレンジします。

 

 

なぜ、状態の良い受精卵を置いておいてまで、再度TESEを行うかというと、「凍結保存した精子よりも、回収してすぐの精子を受精させた方が可能性が高くなる、という説もあるので、そこに賭けてみたいと思っています。

 

 

事故から2年たっています。
1年前よりも精子は減退しているかもししません。
もう動いてる精子はいないかもしれません。

 

 

脊髄損傷者の皆さん。立場や状況は違うと思いますが、
今、脊髄損傷者、男性の皆さんにアドバイスができるとしたら、1日も早く精子を取り出して、凍結保存することを勧めます。

それが、タイトルに書いた、僕からのアドバイスです。

 

 

僕は、事故前の精子の状態を調べたことが無いので、事故にあう前と後で、どのくらい子どもを授かる可能性が下がったかは分かりません。
でも、自分たちの子どもが欲しいなぁ、という想いは、間違いなく以前より強くなったと思います。

 

 

それでも、人工授精での妊活はなかなかハードルが高いのが常識です。
現時点でもその厳しさを実感しています。

 

 

でも、そんな常識、知るか!

 

 
ハードルが高い方が、喜びも大きいはず。

 

 

「常識なんかをありがたがって偉くなれるか!」by御木本幸吉

「常識なんかに負けてて、子どもがつくれるか!」by木戸俊介

 

 

そう信じて、今できることに全力で臨もうと思います。

 

 

乞うご期待!!

コメントを投稿する

すべての項目を記入して『投稿する』ボタンを押してください。パスワードは投稿したコメントを編集・削除する時に必要になりますので、忘れずに覚えておいてください。

編集