キドリハ通信 KIDOREHA BLOG

ユニバーサルデザイン×美容室~キドリハ通信第7章5話~(事故から8年と7か月) 2023年11月17日 15時35分48秒

ヒロシからの相談で、美容師の友人が独立開業するにあたり…
「普通の美容院3席に、1席は車椅子のお客様もカラーもパーマもできて、最高のヘアスタイルを提供して、最高の一日、未来を過ごせるような美容院をつくりたい」
という素敵な想いを聞いたので、アドバイスしてもらえないかと相談されて。
ひとまず、ユニバーサルデザインについての自分の考え方を共有させてもらったので、これは須磨UBPにもつながる経験や想いやなと感じたので、忘れないように、ココでメモっときます。
木戸俊介と言います。
普段は、 須磨ユニバーサルビーチプロジェクトで障がいに関係なく海で遊ぶ、自然のアクティビティにチャレンジする、という活動をしています。
障がいがあると、何かと諦めがちです。
不便だけから諦めたり、医師から止められたり。
できないをできた!に変える。
というのを合言葉に、チャレンジしています。
⚫︎木戸の経験
車椅子生活になって、最初は東京の生活だったので、下北沢の美容室も行ったりしました。
ただ、シャンプー台が、小上がりになっていて、後ろを持ち上げてもらわなくてはならず、お願いすればもちろん協力してくれるけど、その都度サポートが必要になるので、小さい罪悪感の積み重ねで、足が遠のきました。
そのあとは、こだわりも薄れて、スピードと安さ推しのお店とかで切ってました。
今は、知人のいるヘアカットとか、近所の1000円くらいのヘアカットで切ってます。
今はほとんど毎日キャップをかぶるので、とにかく長ったらしくないように、短く切ってます。
今は行けてなくて伸びちゃってますが。
⚫︎ユニバーサルデザインの美容室
素晴らしいと思います。
オシャレしたい!髪や服にこだわりたい!という障がい者は、僕の周りにも、特に女性からはよく聞きます。
けど、気兼ねなく行けるところは少ないので、選択肢が増えると喜ぶ人は多いです。間違いなく。
それが、美容室の強みの一つになれば良いですね。
※ただ、あまり、最初からバキバキにハード面を整えすぎないほうが良いと思います。
よく例で話すのですが、段差は、車椅子の人にはバリアになりますが、目の見えない人には、段差がないことがバリアになります。白杖で、段差を確かめながら生活してるからです。
要するに、誰にとっても、100%不自由のないユニバーサルデザインはありません。
まずは、そう思った方が良いと思います。
色んな人の話を聞いて、来てもらって、自分の中で、どこに落としどころをつくるか判断するのが良いと思います。
あと、これは僕の考え方ですが…
最終的には、人の心の問題です。
これもよく例に出しますが、僕の大好きな飲食店が新宿にありますが、そこは、狭くて汚い居酒屋ですが、電話で車椅子だと言うと…
「うち段差ありますけど、大丈夫です!みんなで持ち上げます!スタッフに若い衆がいますから!」と即答してくれます。
個人的には、究極は、それが本当のバリアフリー、ユニバーサルデザインだと思っています。もちろん、ハード面も整っていれば理想ですが、
「もう一度来たいな」と思ってもらえるよう、ハード面の至らない部分を、100%整えようとするよりも、足りない部分は心と動きで越えるつもりでいた方が良いです。
一緒にサポートしてくれる、想いに共感したスタッフを仲間にしてください。
⚫︎ハード面について、個人的には…
僕は、
・車椅子なのと、
・ある程度自分でできるし、やりたいのと、
・その場所に応じてやり方を考える
タイプなので、
できれば雑然とせず、スッキリ広いことがありがたいです。
髪を切るのは、いつもは、車椅子でそのまま切ってもらいます。
→カットの座席は床に固定しないタイプの方が良いと思います。
一般的に、移乗(車椅子から椅子に乗り移ること)は、難しい人も多いので、車椅子の場合は、カット椅子をよけるのが良いかと。
※まれに、椅子に乗り移りたい人もいるので、その場合はカット椅子をそのまま使う。
→その時、狭いと移乗しにくいので、やはり椅子の周りは広い方が良いです。
シャンプー台も、できれば、車椅子のままできたら僕は嬉しいですが、下北沢の時は、シャンプー台の椅子に移乗してました。
⚫︎トイレ
トイレは考えていますか?
コレも,人や障がいによってそれぞれですが、トイレが気になる、トイレに入れない店は心配して不安になる人は多いです。
バキバキの身障者用でなくても良いと思いますが、段差なく入れて、広いトイレだと安心できる人は多いと思います。
理想は…
・転回できる広さ(車椅子の向きを変えたり、横から便座につけられる)
・手すりがついてる(雰囲気はダサくなりますが)
があれば、嬉しいですね。
ハード面の整備はハードル高いので、
どうしてもトイレの整備が難しければ、近く、最寄りの公共施設や駅で、身障者用トイレがあるところをご案内するのも有効だと思います。
一旦、以上です。
僕でできることであれば、直接連絡でも、場所を見にいくでも、他の人を紹介するでも、できるので言ってください。

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