キドリハ通信 KIDOREHA BLOG
2015年12月11日、入院194日目 。(事故から253 日目。) 2015年12月11日 20時58分27秒
退院まであと二日、そして、とうとう今日でリハビリ最終日になりました。
今日は雨ですね。気持ち良いくらい降っています。屋外の坂道ダッシュは無くなりそうです。
最後にチャレンジできると思っていましたが残念です。
退院が近づき、周りの方に「寂しくなるね~」と声をかけてもらいます。
キング・カズが言っていた、
「レンタル移籍した選手は早く元のチームに戻れるよう頑張るんではなくて、『チームに残ってくれ!』 そう言われる選手を目指さなくてはいけない。」
この病院にレンタル移籍?してきた僕は、少しは周りに求められる存在になれたのかな・・・
としみじみと考えたりしています。
いつか、自分の人生を振り返る時、「絶対にこの日は忘れない」って確信できる日はそうそうないと思いますが、
僕はこの8か月間、253日間は絶対に忘れないと思います。中でもリハビリ病院での6か月間は内容の濃い日々でした。
いつかの日記で書きましたが、この病院で一緒に戦ってくれた先生や訓練士さんは、
僕をサポートしてくれて一緒に戦っている「チーム木戸」の同志だと思っています。
みんなには言ってませんが、僕は勝手にそう思っています。笑
リハビリ最終日の今日は、チーム木戸メンバーの皆さんへ、 この場を借りてありがとうを伝えさせてください。
体育の先生。
「動機づけと高い目標をありがとう。
次から次へと挑戦する目標を提示してくれて、僕の意欲を煽ってくれたおかげで、
6か月間継続して高い壁に向かって車椅子を漕ぎつづけることができました。ありがとう。」
PTの先生。
「リハビリ生活に毎日のハリをありがとう。
最初の頃は、1日の 訓練のスタートがPTでした。
『今日はこんなにも面白いことがあった』と、訓練に行って話すのが楽しみで 毎日の訓練が本当に待ち遠しかった。
プッシュアップや床トラなど、一緒に課題を克服していったあの達成感は一生忘れません。ありがとう。」
OTの先生。
「無限の可能性をありがとう。
できないことが出てくる度に、OTで試行錯誤して全てクリアしてこれました。
どんなトランスも、絶対にできないことはない。必ずできるようになる。 そう思わせてくれたOTの時間。
でも逆に、訓練には終わりがない!そう思わせられたのもOTの時間でした。笑
こんなにも自分の体と向き合えるようになったのは、OTのおかげだと思っています。ありがとう。」
ほとんど一人で何もできなかった状態から、ほとんどが自分でできるようになりました。
体育、PT、OTの訓練によって「心・技・体」の体力と技力を身につけました。
主治医の先生。
「信頼と安心をありがとう。
入院初日から今日に至るまで、 とにかく面と向かって話や悩みを聞いてくれる姿は将来への不安を掃ってくれました。
そして、排泄がうまくいかない僕に次々と対応策を提示してくれる先生のおかげで、
今はこんなにも前向きな車椅子生活を送れるようになりました。ありがとう。」
担当看護師さん。
「患者としての自覚をくれてありがとう。
普段は頼りないように見える?その姿に『自分がしっかりしないと。』と自覚をさせてもらいました。笑
日常生活の障壁を乗り越えるためにいつも 一緒に 頭を悩ませてくれてありがとう。
特に、排泄に失敗した時は一緒に凹んでくれて、自虐ネタに笑ってくれるその笑顔に救われました。 ありがとう。」
脊髄損傷者は、排泄の失敗に象徴される、心のバリアが社会復帰の障壁になるとよく言われます。
主治医の先生と看護師さんのおかげで、心のバリアを乗り越え、前を向いて生きることの大切さを学ぶことができました。
ここで学んだ心の強さは、今後の人生に大きな影響をもたらしてくれると確信しています。
今日で、当病院でのリハビリ日記は最終回になります。
転院してきた初日から このリハビリ日記を書き始めましたが、 最初は空回りするくらいのウケ狙いで書いていました。笑
でも、今では毎日を振り返り、自分の頭を整理するためにかけがえのない時間になっていました。
いつの間にか、
訓練のために日記を書いているのではなく、 日記のための訓練をしているのでは?
そう錯覚するほど自分にとって、大切な時間だったと思います。
毎日読んでいただいた皆さん、忙しい中で激励コメントをいただいた皆さん、本当にありがとうございました。
「 ありがとうは魔法の言葉。唱えると、幸せの神様がやってくる。 」
by相田みつを
退院を明日にひかえ、考えることがあります。
ケガをして、歩けない自分には、生きるうえでどんな価値があるんだろう?って。(もちろん、いつか絶対に歩きますけどね。)
今までの自分は、仕事においても足で稼ぐ?スタイルが自分らしさだと思っていました。
たとえ失敗しても、とにかく人より走り回って挽回するんだ。って感じです。(失敗を前提にしていて恥ずかしいですが。)
俊介という名前は、
「俊敏で(俊)、人の役に立てる(介)人になって欲しい」そういう両親の想いからもらった名前です。
でも、足で稼げなくなった今、自分に何ができるのか?
ほんの少しですが、その問いかけに対するヒントをもらった6か月間でもありました。
今朝もこうして日記を書いていると、
「木戸くんには『こんなに頑張っている人がいるんだ。私も頑張らないと!』って、 勇気をもらったから、そのお礼にこれをあげる。」
僕の病室まで女性の患者さんがお菓子を持ってきてくれました。
「常に前向きに諦めずに自分らしく(俊)、周りの人に元気や勇気を与えられる(介)人になりたい。 」
そんな人間になれるよう、退院後も、一歩ずつ前へ進んでいきたいと思います。
追伸。
昨日、奥さんが病院に来てくれました。
今日の動画は、奥さんと一緒にやった腹筋のトレーニングです。
意外かもしれませんが、『腹筋』って、腹筋だけだと起き上がれないんです。足で踏ん張れるから、腹筋で上がれるんです。
「股関節が利かないと『腹筋』はできないよ。」そう言われています。
常識では無理と言われると、余計にやりたくなるんです。
常識では歩けないと言われると、絶対に歩きたくなるんです。
諦めません、歩くまでは。
それにしても、我ながら、楽しそうに腹筋してるなぁ。笑
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