キドリハ通信 KIDOREHA BLOG
2016年1月26日、新生活46日目。(事故から299日目。) 2016年01月26日 21時40分35秒
今日は、キドリハ海外視察2日目のエピソードを紹介したいと思います。
<1/20 リハビリ海外視察”2日目”>
オーストラリア2日目。
今日のメインプログラムは何といっても『Making Strides(メイキングストライズ)』での『ReWalk(リウォーク)』体験です。
まず、メイキングストライズとは、オーストラリアにあるリハビリ施設のうち最も有名な施設の1つです。
先日の配信で紹介したペリー先輩(1/21キドリハ通信参照)曰く、「MSがオーストラリアの施設の中で最もオススメだよ。」という話でした。
更に、メイキングストライズでは『ReWalk』でのトレーニングをすることになっています。
ReWalkとは、イスラエル製の歩行補助アシスト装置です。
日本では、安川電機 (日本とアジアでの独占販売権を取得)が病院やリハビリ施設への販売を実施しており、
個人向け販売についても計画が進行中です。
アメリカやヨーロッパでは、一般向けに販売できるようになりましたが、
販売価格は約7万ドル(700万円以上)なので簡単に買えるものではありません。
それに、単にReWalkだけを購入しても、専門知識があるトレーナーの訓練を受けなくては宝の持ち腐れになります。
僕の場合・・・
リハビリ病院において長下肢装具と歩行器を使用した歩行訓練を病院で始めた頃に、
「是非リウォークを試してもらいたい。歩行器であんなにスムーズに歩けるのなら、ReWalkの効果が発揮できるに違いない。」
主治医の先生はそう言ってくれていましたが、ReWalkの使用には病院内で予算が下りるのを待たなければならず、
結局入院中には予算が下りず時間切れ…
・・・ということで使用対象にはならなかったんです。
限られた人しか使用することができない・・・
それが、日本におけるReWalkの現状です。
そこで、今回メイキングストライズでReWalkを体験できると聞いて非常に楽しみにしていました。
メイキングストライズは、ホテルのある場所から電車とバスを乗り継いで約1.5時間のところにあります。
初めての電車。「トラム」と呼ばれる路面電車に初乗車です。
後で知ったのですが、トラムやバスには共通で使える「Go Card(ゴーカード)」という電子カードがあり、
それを購入すれば簡単に公共交通機関を利用ですます。
途中、道に迷って困っていたところを、通りすがりのオジさんが車で乗っけてくれるなどハプニングもありましたが(このオジさんの話は次回紹介します)、 何とか無事メイキングストライズに到着しました。汗
● Making Strides(メイキングストライズ)にて
・マッスルテスト(神経、筋収縮がどこまで生きているかのチェック)
・ストレッチ&筋力トレーニング
・プッシュアップテスト(どこまでプッシュアップの能力)
・バランストレーニング(起立した状態でバランス感覚の強化)
※ここまでの話は次回以降の配信で詳しく紹介するので今回は少しだけ紹介すると・・・
マッスルテストやバランストレーニングで特に指摘されたのが、
腹筋を中心に体前面の筋肉はvery strongだが、ハムストリングや背筋の背面の筋肉がvery weakと言われました。
ハムに至ってはゼロだということでした。
以上のメニューを終え、いよいよReWalkへ。
動画が、ReWalkで歩いている映像です。
実は、この時歩きながら気が付いたんですが、
屋外で歩いたのは事故後この時が初めてだったんです。
初めて歩いたのがオーストラリアの晴天の下なんて、贅沢ですよね。
もちろん、完璧な歩行ではなくぎこちない歩行ですが、
それでも1歩1歩、太陽の下で歩いたのは気持ち良い時間でした。
「歩く」ということ、それは本当にかけがえないものだと思います。
1歩ずつ踏みしめながら歩いた時間はまさにprecious timeでした。
さらに、「普通なら25回くらいでスムーズに歩けるようになるところを、あなたは1回目でこんなにもスムーズに歩けるなんて!
Are you NINJYA!?」と驚かれました。
これも、歩行訓練を続けてきたからこその喜ばしい評価でした。
「『自分と仲良く生きる』といい。
好きな自分と四六時中一緒にいる人は、自然と笑顔が多くなり、
言葉から刺がなくなり、相手の言葉をふんわりと
受け止めることができるようになるから不思議です。」
by渡辺和子
まだ、自力では歩けませんが、1歩1歩、確実に前進している自分に感謝です。
よーし、明日からも頑張ろう。
※ReWalkの起動方法や使用の意義などは以下に記載しますので、お時間、ご興味のある方は是非ご覧ください。
①ReWalkの外見
少し見づらいかもしれませんが、これが裸のReWalkです。
腰を固定するお椀型のようなキットがあり、
腰から足にかけて装置がつながっています。
②ReWalkの装着。
・脚にはプラスチックのインソールが着いていて、そこに自分の靴を履かせます。
・脚の外側に沿って装置がつながっているので、そこに自分の脚をバンドで固定していきます。
・上半身にはバッテリー&記録メディア(歩行データ)が入ったリュック型タンクを背負います。
タンクの中身はこんな感じです。
③ReWalkの起動
腕時計型のリモコンを装着し、いよいよスタートです。
リモコンには、左から順番に「座る、立つ、歩く」のスイッチがあり、
スティックを持ったら「立つ」のスイッチを押して起動させます。
立った時には体が前のめりになるので立つ際は スティックは自分より後ろに置きます。
④起立バランス
スティックをうまく使ってバランスをとる練習をします。
長下肢装具と比べて、断然ReWalkの方が安定する、それが最初の感想です。
装置が膝の代わりをしてくれるので、リラックスした自然な体勢で立つことができるからです。
スティック2本でバランスがとれたら、次はスティック1本ずつで立てる位置を探します。
1本のスティックを体の真ん中に近づけて、交互にスティックを置き換えます。
⑤ReWalk歩行
歩行スタートです。リモコンの「歩く」スイッチをオン。
2秒後くらいにReWalkが動き始めます。
⑥歩行速度の調整
自身の歩行をデータ化してパソコンに同期し、歩行速度を調整できます。
今回、僕はスムーズに歩けていたので、途中で歩行速度をアップしました。
※ReWalkの意義
脚を固定して歩く、という点では長下肢装具を装着した歩行と変わりませんが、
「膝を曲げて人間の歩行に近い姿勢・自然の足の運び方で歩行ができる。」
これがReWalkの最大の利点であり、最大の利用目的です。
中には、ReWalkで街中に出て生活することを目指している方もいて、
ReWalkの位置づけは人によってそれぞれです。
僕の目標は、「自分の力だけで歩くこと」です。
なので、あくまでもトレーニングの1つだと思っていてゴールだとは思っていません。
自分が歩く際にどのように歩いていたか、
・自身の神経に思い出させること
・体に正しい歩き方(バランス)を覚え込ませ、それに必要な筋肉を強くすること
それがReWalkの意義だと僕は考えています。
なので、ReWalkを使って正しい姿勢で歩く感覚を掴みつつ、
バランスや筋肉強化を並行して行う。そんな付き合い方(トレーニング)をしていきたいな、
そう思っています。
コメントを編集する
必要なところを編集してください。編集が終わりましたら、1番下にある「投稿する」ボタンを押すと変更内容が反映されます。
ルール
※必ずお読みください 運営者へ問い合わせ